約6000年前から存在すると言われるオリーブオイルは、人類が最初に栽培した植物の一つとされています。オリーブの木はモクセイ科オリーブ属の常緑樹。品種ごとに太さや強さなどが異なり、5月下旬から6月上旬に開花します。イタリア料理やスペイン料理から連想されるように、地中海沿岸からその栽培が始まり、長い時間をかけて世界中へと広がりました。育てる場所の風土によって味が変わるブドウのように、オリーブオイルも、その地域によって多種多様の香りや風味があります。
だけれど、どこでもその製法はいたってシンプル。オリーブの果実を皮や種と一緒にペースト状にすり潰し、熱をかけずにそのまま絞ります。他の植物油は化学的な処理を加えて抽出するものが多い中、オリーブオイルは基本的にこの製法を何千年も保っているとのこと。
しかも、オリーブの果実一つから抽出されるオイルは一滴程度。先人たちによって、どれだけ大切に丁寧に手間暇かけて作られてきたか、その分どれだけ貴重なオイルだったのか、その製法だけでもうかがい知れます。