Beauty Oil Kitchen

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【インタビュー】本物を提供するビューティーサロンが考える、美容のこと、オイルのこと

ゲストに上質な技術と空間、確かな情報を提供するトータルビューティーサロン「BANGS」。オーナーの大村高好氏とオイルソムリエの大村寛子氏に、美容とオイルについてお話しを伺いました。

プロフィール 大村高好(おおむらたかよし)/「BANGS」オーナー、ヘア&メイクアップアーティスト

広島県出身。東京マックス美容専門学校卒業。サロンでのインターンを経験後、mods hairの田村哲也氏と出会い、本格的なメイクアップアーティストの道へ。以後さらにクリエイティブな刺激を求めパリに渡る。カメラマンやヘアアーティストなど、多くのクリエイターとの経験をもとに、帰国後、雑誌、広告、CMなど様々な媒体でヘア&メイクアップアーティストとして活躍。

プロフィール 大村寛子(おおむらひろこ )/オイルソムリエ、ロミロミセラピスト

山形県出身。美容師をきっかけにして、人をもてなし、心に触れる仕事がしたくて、ハイクラスのホテル勤務をしながら心理カウンセリングを学ぶ。心、身体、魂の繋がりの重要性を感じ、これまで出会ってきた師により、人生を豊かにしていく思考、言葉、食など、さまざまな種を追求する。その過程でマッサージと出会い、ハワイでアロハの精神によりロミロミの神髄を伝えているレイア高橋に出会い、師事。2017年、LomiLomi Salon Hi’ilaweをオープンし、2018年より、BANGSにて活躍の場所を広げている。

[オーナー:大村高好氏]お店の開業の経緯、コンセプト

私はもともと、20代から50代まで撮影の現場でヘアメイクの仕事をしていて、ヘアメイクの仕事では自分が納得できる仕事をさせてもらいましたが、美容室では、自分が本当にやりたいと思っていたことができていなかったのじゃないかと気づいたんです。それで、失敗するかもしれないけど、後悔するのは嫌だから、本当にやりたかったサロンスタイルをやってみようと思いました。本物しか扱わない上質なサロンです。

今、美容室は、シャンプー、カット、スタイリングとベルトコンベヤーのように別々の人間がお客様を施術するところが多いですが、私はお迎えからお見送りまで、一人で担当します。私が提供するのは髪の毛の施術だけではありません。ゆったりとした空間に、大きなソファ、たくさんの植物や、絵画、そこには柔らかな空気が流れ、ずっと居たくなるような環境です。そして、私の妻がオイルソムリエなので、食用と美容オイルをサロンに置いて、身体の内側からの美容もお客様に提案しています。また、昨年販売され、サロンではここしか扱っていない、KENZOのチーフデザイナーをしていた佐々木勉さんがプロデュースしている上質なタオル(モラルテックス)を扱い、吸水性を体験できます。また、お客様にお出しする飲み物は紙コップではなく、グラスやカップでお出しします。細部にまで心を込めて、本物の空間、技術、商品でお客様をお迎えしたいと思っています。

日本では、朝はヘアサロン、昼はネイル、夜にエステとそれぞれ行くお店がバラバラになっていますが、お客様にしてみると効率が悪く、結局の所、優先順位を決めてこなして行くようです。しかし、私たちのサロンでは同じ空間でそれが全部できる、トータルビューティーサロンになっています。ヨーロッパでは昔からあったスタイルですが、日本ではなかなかそこまでできないことが多いようです。それは、生産性を上げるのが難しく、今の美容業界は、安売りすることで回転率を上げなければいけなく、働く美容師たちは忙しすぎて疲弊していくという、悪循環になってしまっているサロンがたくさんあります。そんなの、お客様にとっても、良いことではないですよね。私たちのサロンでは、自分たちも一人の人として自立し、技術や商品に見合った金額をきちんといただいて、お客様が、「ここに来て本当に良かった」と思ってくださるサロンを目指しています。

お蔭様で、今ではご紹介でいらっしゃるお客様がとても増えているんです。予約が取りづらくなってきたから、お帰りの際に次の予約をしていく方が多いです。そうやって一つ一つ積み上げていくと、お客様と少しずつ信頼関係ができてきます。そこでオイルソムリエがいるので、パーマやカラーなどの合間のちょっとした待ち時間に、オイルのテイスティングをしてもらったり、身体の中からの美容や健康についてもお話したり、一歩踏み込んだサービスを提供することができます。興味を持たれたお客様がオイルを買って帰り、毎日使って体調が良くなり、髪や肌にも良い影響が現れ、相乗効果が期待されます。閉塞的になっている現在の美容業界に、もしかしたら、このサロンの形が新しいモデルケースとして突破口となれるかもしれないとも考えています。

しかし、その為に美容師は、もっともっと学ぶ必要があると思います。今はメーカーの薬を作るスピードがものすごく早くなっていて、単純にメーカーの言っていることだけをやっていてもダメなんですね。私も先日、大阪に行って新しい薬剤の講習を受けて来ましたが、薬の中身まできちんと理解していないと、正確に使いこなせないし、お客様にベストなものを提供できないんです。それこそ、現状に甘んじず、視野を広げていって自分自身の感性を研ぎ澄ませていかなくてはなりません。そんな風に、本気で取り組んでいる美容師たちが増えれば、素敵な美容室がもっと増えると思っています。

[オイルソムリエ:大村寛子氏] 美容も健康も一緒。オイルを普段の生活に役立てて

私がオイルソムリエという資格を知ったのは、1年ほど前になります。私は現在、ロミロミセラピストをしていて、以前に勤めていたマッサージのお店でオイルマッサージも提供していたのですが、みんな、「なぜそのオイルを使うのか」「どうしてそのオイルが肌に良いのか」を答えられなかったんですね。それで、きちんと理由を知ったうえでお客様に施術したいと思って、見つけたのがオイルソムリエでした。美容も食もどちらも学べるのがすごくいいなと。

肌も髪も食べるものから出来ているのですから、美容も健康も一緒です。私は、オイルの効能や効果を正確に伝えて、お客様の普段の生活に役立てていただきたいと思っています。

オイルの紹介はお客様とのコミュニケーション

私たちのサロンではオイルのテイスティングが出来るのですが、そんな機会なんてほとんどないので、みなさんに興味を持っていただけます。オイルは、オリーブオイルから紹介することが多いです。みなさん馴染みのある油なので、いつも使っているものと比べやすいんですね。たいてい、テイスティングをしてもらうと、「全然違う!」と驚かれます。それで、その違いは何なのか、どんな効能があるのかなどを紹介します。最近だと、メディアでも取り上げられているオメガ3の話題をきっかけにして、お客様の興味のあることや生活習慣から、お客様それぞれに合うオイルやお客様自身が気になるオイルを試飲していただいています。ここはトータルビューティーサロンなので、身体の中からも美しくなるための知識も、一緒に持ち帰ってほしいなと思っています。

お店に置いてあるのは、「Centonze(チェントンチェ)」のオリーブオイルの他、「PODOR(ポドル)」製品のチアシードオイル、カメリナオイル、フラックスシードオイル(アマニ油)、マカダミアナッツオイル、アルガンオイルの5種類です。そういえば、お店のスタッフでPMS(月経前症候群)の女の子がいて、一か月フラックスシードオイル(アマニ油)を試してもらったことがありました。1日小さじ1杯程度で、アマニ油は熱に弱いからそのまま飲むか料理にかけてねって説明して。そうしたら、とても効果があったみたいで「継続して使います!」と言ってくれました。そういった実体験の情報もお伝えできるので、気軽に試していただきたいですね。

型にはまらず、自分たちにしかできない最高のサービスを

私はオイルソムリエとしてオイルの紹介をしていますが、髪の毛とオイルを無理やり関係づける必要はないと思っています。もともとBANGSのスタイル・考え方なんですけど、オーナーがよく「美容バカになるな」って言うんですね。髪の毛だけの話をする美容師が多いけど、お客様のほとんどは他業種です。美容関係以外の方々であり、その方のバックグラウンドや、その方が生活しているシーンを想像したり、真意を汲むことが大事。だから、美容だけじゃない、ライフスタイル全般を見て、本物の技術なり、サービスなり、商品なりを提供したいです。今後も、私たちにしかできないことをやっていきたいと思っています。

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