えごまの収穫時期

10月〜11月は、えごまの収穫時期です。

オリーブオイルの場合は、収穫後すぐに実の変質が始まるので、すぐに搾油してオイルの状態で保管しますが、えごま油など種子を搾るオイルは種子のまま保存し、必要に応じて搾ります。これは、種子類はオイルの状態より種子のまま保存した方が酸化しにくいためです。

ただ、種子のままであっても保存条件によっては変質します。

これは逆に種子ならではの自然な事なのですが、温度や湿度が発芽条件に合うと発芽モードになって、種子に蓄えられている脂質を分解して、発芽のためのエネルギーをつくるのです。その際、リパーゼという脂肪分解酵素が活性化して、酸化しにくい貯蔵脂肪から脂肪酸を切り離します。切り離された脂肪酸を遊離脂肪酸といいます。遊離脂肪酸が多いと酸化が進みやすいため、油脂の酸化の指標にもなっていますし、それは当然味にもあらわれます。

えごま油は数あるシードオイルの中でも特にメーカーによって味が大きく異なるオイルですが、味の違いは種子の保存方法の影響も受けているかも知れません。

12月〜1月は、収穫したてのえごま油が出回り始める時期です。ぜひ美味しいえごま油を見つけてみてくださいね。

この記事を書いた人

地曳 直子