オイルもカラダも、大事なのは「脂肪酸」

オイルの主成分が脂肪酸であることは書きましたが、脂肪酸は単体で含まれるのではなく、「トリグリセリド」という形で含まれます。「トリ」とは、ギリシャ数字の「3」のこと。トリグリセリドは、グリセロールに3本の脂肪酸が結合した形です。

これはオイルの主成分であるだけでなく、お肉の脂やお魚の油なども同じ。私たちが食事で摂る脂質の9割ほどがトリグリセリドです。そして、食べ物に含まれるだけでなく、私たちの体の中性脂肪もトリグリセリドです。オイルを食べると言うことは、グリセロールと脂肪酸を食べているということになりますね。

トリグリセリドとして入って来た脂肪酸は、エネルギーとして燃やされたり、もう一度トリグリセリドになって中性脂肪として体に蓄えられる他、もう一つの大事な働きとして、細胞膜の原料にもなります。細胞膜になるのは、トリグリセリドではなく、リン脂質という形で、2本の脂肪酸が含まれます。

このように、食べものに含まれる脂肪酸は、私たちの体の中でエネルギーになったり、中性脂肪になったり、細胞膜になったりするため、どんな脂肪酸を食べるかによって、体の状態は大きく変わるのです。

オイルや体内の脂質を理解するために、次は脂肪酸について見ていきましょう。

この記事を書いた人

地曳 直子