不飽和脂肪酸の種類と特徴④

必須脂肪酸であるオメガ3とオメガ6は、欠乏すると皮膚炎や血小板の減少、免疫不全、脂肪肝、小児の成長障害などがあらわれます。

では、必須脂肪酸はどのぐらい摂ればよいのでしょうか?

年齢・性別によって多少異なりますが、一日の目安量はオメガ6が男性9g〜10g、女性8g、オメガ3が男性2g〜2.2g、女性1.6g〜2gとなっています。

また、オメガ3とオメガ6は体内で真逆の働きをするため、摂取量のバランスがとても重要であることが知られています。

オメガ3もオメガ6も、厳密には脂肪酸ごとに働きがそれぞれ異なりますが、グループとしての大まかな働きは、オメガ3は炎症を抑えたり収束させる、血液をサラサラにする、血管を柔軟にするなど。逆にオメガ6は炎症を促進する、血栓形成を促す、動脈硬化を促進するなどです。

現代食は、オメガ6が多くオメガ3が少ない傾向があるので、脂質を意識しない食事をしているとバランスが崩れてしまいがち。

近年増加している癌やアレルギー、認知症や精神疾患などの原因には慢性炎症があることが分かっており、その慢性炎症には、オメガ6の過剰摂取とオメガ3不足という必須脂肪酸バランスの崩れが関係していることが示唆されています。

この記事を書いた人

地曳 直子