Beauty Oil Kitchen

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体にいい油を選ぶ「選油」の時代

2016年12月23日号の『週刊朝日』で“油”についての特集が組まれました。当時、週刊誌の第一特集で油?と驚いたものです。でも、それから2年も経たないうちに、日々摂取している油がいかに私たちの健康美容に影響するか、様々なメディアで目にするようになりました。

体にいい油、悪い油の特集

201612月、『週刊朝日』で、“健康寿命を左右する 体にいい油、悪い油 :「断油」から「選油」へ お肌ツヤツヤ、体調改善!”という特集が組まれました。当時、「トランス脂肪酸」という言葉が大分浸透し、動物性のバターよりもトランス脂肪酸を多く含んでいる植物性のマーガリンの方が身体に良くない、ということが一般家庭にも知られるようになった頃だと思います。健康系の雑誌などでは、油の危険性や効能について詳しく紹介されることがあっても、固めの週刊誌で大々的に特集を組まれることは珍しく、油との付き合い方を見直さなきゃならない時代に入るのだな…と思わされた記事でした。当時の記事を少し振り返りながら、「選油」について考えたいと思います。

油の種類

ここでは、私たちの食生活で最もよく使われる「不飽和脂肪酸」を取り上げます。

 

<不飽和脂肪酸> 

常温では液体。植物性の油が多いですが、青魚などに含まれるDHAEPAも入ります。

さらに、不飽和脂肪酸を以下の3種類に分けて紹介します。

・オメガ3系:

代表的な脂肪酸は「αリノレン酸」。多価不飽和脂肪酸に分類、体内では作れません(アマニ油、エゴマ油、魚油(DHAEPA)など)

・オメガ6系:

代表的な脂肪酸は「リノール酸」。3系と同様、多価不飽和脂肪酸に分類されます(ごま油、大豆油、綿実油、グレープシードオイルなど)

・オメガ9系:

代表的な脂肪酸は「オレイン酸」。一価不飽和脂肪酸に分類され、体内でも作られます(オリーブオイル、菜種油、紅花油、米油、アルガンオイルなど)

オメガ3系とオメガ6系

記事では、オメガ3系のαリノレン酸は、脳の神経細胞の材料となって、脳機能を正常に保つ効果があると紹介されています。私たちに必須の油であるにも関わらず、体内で作ることができません。そのため、αリノレン酸は意識して摂らないと不足がちになってしまいます。

一方で、オメガ6系であるリノール酸については、摂りすぎによる悪影響を伝えています。リノール酸は成長に関わる成分が入っているので子どもには欠かせませんが、米や大豆食品にも含まれるので、成人はあえてプラスで摂る必要はないとのことです。「リノール酸の必須量は1日に必要なエネルギーの1%程度だと考えています。数%以上摂るとプラスの影響よりも、マイナスの影響のほうが強く表れてしまうのです」という、日本食品油脂安全性協議会理事長の奥山氏の言葉も。

オメガ9系

オメガ9系であるオレイン酸が豊富なオイルで、最も身近で代表的なものはオリーブオイルです。一般的には、血液中のLDLコレステロールを減らしたり、動脈硬化を防ぐなど良いイメージのあるオイルですが、記事ではオレイン酸は「可もなく、不可もない」と少し厳しい評価が見られます。その要因の一つが、オイルそのものではなく植物からオイルを抽出する時に出る“他の微量な成分”が問題になる、ということ。つまり、オリーブオイルは質の良いものを選ぶ必要があるのです。オリーブオイルは値段に品質が比例し、同記事でも、手摘みで低圧縮したものがおススメとされています。

どう選ぶ?

毎食のことだから、オイルの摂り方ひとつで、私たちの未来の健康寿命が変わるかもしれません。賢く、でも楽に「選油」したいものです。まずは、身近なオメガ3系、6系、9系に意識を向けることから始めてみてはいかがでしょうか。

オメガ3系(αリノレン酸)は積極的に摂取する、オメガ6系(リノール酸)はなるべく控える、オメガ9系(オレイン酸)は、高品質なものを選択する…これなら続けられそう?自分のライフスタイルに合わせて、無理なく摂り入れていきたいですね。

(参考資料:週刊朝日 121(68),18-21,2016-12-23/朝日新聞出版)