中性脂肪として溜まりにくい脂質②

前回、中性脂肪として溜まりにくく、太りにくい体を作る脂肪酸として中鎖脂肪酸について書きました。

今回は中鎖脂肪酸とは違うメカニズムで太りにくい身体をつくるEPA・DHAについて。EPAとDHAはオメガ3系の長鎖多価不飽和脂肪酸です。

EPAは血液サラサラ、DHAは脳に重要ということはよく知られていますが、太りにくい身体をつくる脂肪酸というイメージはあまりないかもしれません。中鎖脂肪酸は物理的に燃焼されることで中性脂肪になりにくいのに対して、EPA・DHAは燃やされてなくなるからではなく、脂質の代謝に関わる遺伝子に作用して、中性脂肪の合成を抑えたり、脂肪の燃焼を促します。

実際に、EPAもしくはEPA+DHAは、中性脂肪が高い高トリグリセリド血症の処方薬にもなっていますが、血中の中性脂肪だけでなく、内臓に蓄えられた中性脂肪も減少する効果が認められています。

このように、油は同じ1gあたり9kcalでも、どんな脂肪酸を摂るかによって、体を太りやすくも痩せやすくもするのです。面白いですね。

この記事を書いた人

地曳 直子