旬のあるオイル

植物オイルは、植物の種そのものや種の中の仁を搾ったものがほとんどで、シードオイルとも呼ばれます。植物の種類にもよりますが、多くの油糧植物は、一年に一度、実を結び、種が出来ます。ナタネ油の原料の菜の花は、春に一斉に黄色い花を咲かせ、その後、種が出来ます。えごまは、夏に薄紫の花を咲かせ、晩秋に種が出来ます。ひまわりは夏に真っ黄色の花を咲かせ、晩夏に種が出来ます。植物それぞれに、旬があります。

こう見ると、それを搾ってつくるオイルにも旬があるように思われるかも知れませんが、シードオイルは収穫後にすぐに搾る訳でなく、種として保存し、その都度必要に応じて搾油するので、オイル自体の旬はありません。

一方、アボカドオイルやオリーブオイルのような果実を搾るオイルは収穫後すぐに搾油し、そのオイルを一年間食べるので、収穫時期がそのオイルの旬と言えます。

アボカドはスーパーなどで一年中出回っていることからも分かるように、一年に4回収穫出来ることや、地域によって収穫時期も異なることから、旬が分かりにくいですが、オリーブは年に一度の収穫なので、オリーブオイルは植物オイルの中で最も旬のはっきりしたオイルと言えます。

スペインやイタリアなど北半球のオリーブは10月〜11月、チリやオーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなど南半球のオイルは4月〜5月が収穫時期。まさに今の時季が旬です。インポーターによっては搾りたてを空輸していることもあるので、フレッシュなオリーブオイルを味わいたい方は、ぜひ探してみてください。

この記事を書いた人

地曳 直子