脂肪の掃除機?クリルオイル

前回、韓国ではクリルオイルを「脂肪の掃除機」と表現して、急激に市場が拡大したと書きました。
ここで言われている脂肪の掃除機とは、クリルオイルに含まれる「リン脂質」によって、血管内に溜まったコレステロールが減少するイメージを表現しているようです。
リン脂質が直接血管内の脂質を溶かすかは定かではありませんが、クリルオイルがもたらす健康効果の大きな役割をリン脂質が占めていることは確かです。

リン脂質は、水にも油にも溶ける性質の脂質で、構造は、グリセロールに脂肪酸が2本結合した形をしています。
私たちが食事から取り入れる植物油や肉類の脂、魚類の油など、ほとんどの脂質は水に溶けない「トリグリセリド」という形なので、リン脂質を含むオイルはとても珍しいのです。

リン脂質は水にも溶ける性質から、トリグリセリドより腸管での吸収率が高く、更に体内に吸収された後も組織に移行しやすく、生体利用性が高いという特徴があります。

クリルオイルに含まれるEPA・DHAはリン脂質結合型のため、魚油などで摂るよりもEPA・DHAが速やかに吸収されるのです。
更に、吸収率の悪いコエンザイムQ10や脂溶性ビタミンなども、クリルオイルと一緒に摂ることで吸収率が上がる事が分かっています。

このように、クリルオイルの健康効果の一つが、リン脂質を豊富に含むことに起因しているのです。

この記事を書いた人

地曳 直子